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国際植物増殖者会議日本支部
INTERNATIONAL PLANT
PROPAGATORS' SOCIETY

特別講演

今回の特別講演は、まず岐阜大学応用生物科学部福井博一教授による『園芸業界が取り組む花育とは?』から始まり、

その内容は各方面で取り組まれている「花育」について花き園芸業界はどのように関わったらよいのかというものでした。

最初に、文部科学省や国土交通省は「花育」を子供の情操教育や世代間交流を目的と掲げているが、

「花育」は花き産業振興を目的としていないことを認識すべきであるとの厳しい現実を話されました。

しかし、「子供の頃に花が身近にあった人は、一年間に花を購入する確率が非常に高い」という統計結果を示し、

母親となる人の「花育」を推進し、10年後、20年後の花の需要を高めるべきだとの主張を述べられました。

2つ目の特別講演は(株)フラワーオークションジャパン取締役長岡 求氏の『「Seek & Seek」 ~未知の植物に

出会う楽しみ~』でした。以前と違い、インターネットを使えば植物の写真付きマイカタログの作成は容易であり、

世界中からありとあらゆる植物をコレクションすることができるということをパソコンを使った実演を交えて

説明していただきました。福井先生の話は消費者の底辺を広げて花き産業を復興することを目的とした話であり、

一方、長岡さんの話は消費ピラミッドの頂点を充実させ、近年の大量生産によって減少しているヘビーユーザーや

マニアを増やすことにより花き産業を充実したものにすべきだという話でした。全く異なるアプローチとはいえ、

両名とも花き産業の復興を目指して努力していくべきだという主張は共通し、花き産業に対する熱い思いを

ひしひしと感じた御講演でした。